アメリカでは州ごとに所得税率が違うってご存じでしたか?
2025年1月時点での各州ごとの所得税率は以下の通りらしいです。

低い州はなんと2.5%(アリゾナ)で一番高い州は13.3%(カリフォルニア)!
そして更に驚くのは、グレーで示される7つの州に至っては、所得税が何とゼロ!
とはいっても、アメリカの所得税には国に納める連邦所得税(Federal Income Tax)と、州に納める州所得税(State Income Tax)の2種類があるので、ここで示されているのは州所得税です。
それにしても、0%と13.3%では大きな違いですよね!
では州所得税のない州はどのようにその分を補っているのかというと、固定資産税や消費税が高かったりすることもあるようです。
そこで、所得、固定資産、消費税を全て合算した際の、各州の税金負担率を表したのが以下の図です。

こう見てみると、所得税ゼロの州もなんだかんだ調整が取れて、多くの州が平均的な数値に落ち着いていますねー。
面白いのは総合的に見た税金負担のトップと最下位の州は共に本土の外ということですw
一番高いのがハワイで13.9%!!一番低いのはアラスカの4.9%です。
ハワイはその魅力的な気候と自然で観光地、お金持ちの別荘地、定年後の移住先としても人気です。土地や家賃はもちろん、物価そのものも非常に高く、「ロコ」と呼ばれるローカルはフルタイムの仕事を2つ掛け持ちしている人も多くいます。
パンデミック後は更に状況が悪化し、ハワイを出て本土へ移住するローカルも多いと聞きます。以前、物価高にてハワイからシアトルへの移住を余儀なくされたロコボーイがアメリカンアイドルで優勝した話をしましたよね。
物価も高いのにそれに加えてこの税金の高さ!パラダイスに代償はつきもののようです…
では一番安いアラスカに移住したら安泰かというと…アラスカも物価が非常に高く、それよりなにより…..寒いよー!!笑
ではどこが総合的に住みやすいのか?最近は税金総合6.5%と全国的にもかなり低いフロリダなどが人気だそう。最近税金が高く治安も悪くなってきているカリフォルニアからの移住者が多いそうです。しかもフロリダは温かいので過ごしやすい!
他にもテキサスも人気です。カリフォルニアから企業が相次いで本社機能をテキサスに移動することも話題になっていました。
このように州ごとに仕組みが違うと、自分に合った選択ができるのは面白いですね。
例えば、収入は多いけれど賃貸でいい人は、所得税がゼロで固定資産税が高めの州を選べば、その恩恵を十分に受けられるでしょうし、定年して収入が減ったら固定資産税の低い州に家を購入するというのもありですよね。
こんなことが可能なのも、アメリカが「連邦国家」だからですね。同じ国であっても州によってルールや法律が違う。その点、日本は「中央集権」ですので、どこの県に行こうが法律は一つです。
連邦国家の方が選択肢が多く、魅力的にも思えがちですが、結構めんどいことも多くw
例えば、アメリカでは引っ越しして州を変わるごとに運転免許証をその州のものに変更しなくてはなりません。
他にも職業上の免許、例えば弁護士や不動産免許などは州ごとなので、ある州でライセンスを取得しているから、引越して他の州に行っても同じ仕事をできるかというとそうではなく、その州で再度ライセンスを取得する必要が出てきます。
このように州によってルールや決まりが違うアメリカ。「ところ変われば」とはまさにこのことですね。