アメリカでは年に2回、時計を1時間ずらすイベントがあります。これは「Daylight Saving Time(DST)」、日本では「サマータイム(夏時間)」として知られています。
そもそもサマータイムは、1918年の第一次世界大戦中に燃料を節約するために始まったといわれています。現在では、夏の間、標準時間から1時間時計を進めることで、日中の明るい時間を有効活用し、電力消費を抑えることが目的だそうです。
サマータイムのルールはシンプルです。春には時計の針を「1時間進め」、秋には「1時間戻す」だけ。これは「Spring Forward, Fall Back(春先に時計を進め、秋に戻す)」というフレーズで呼ばれています。
2025年の秋のサマータイム終了は11月2日午前2時でした。
SNSではこんなリマインドが飛び交います。
It’s almost time to “fall back“.
そろそろサマータイム終了で、時計を1時間戻す時間です。

「午前2時に時計を1時間戻す」ということは、11月2日の午前2時になった瞬間に、時間が午前1時に逆戻りするということです。
具体的には、寝る前に時計を一時間戻しておきます。そうすると、いつも6時に起きる人は、昨日までの7時まで寝られることになるので、”fall back”する日には、睡眠が1時間余分に取れることになります。
この”Daylight Saving Time(DST)”はアメリカ以外にも、カナダやヨーロッパでもでも取り入れられている制度だそうです。
ただ、考えてみると、時計をずらしても結局は明るい時間を朝の時点で多く確保するか、夕方に増やすか、の違いになるので、一日を総してみてみると意外とそう変わらないのかもしれませんね。便利なのかどうかは、人それぞれ感じ方が違うでしょう。
ちなみに日本は全国同じ時間で非常に便利ですが、アメリカほどの大陸となるとそうもいかず、アメリカ本土(48州)では標準時間が以下のように4つに分かれています。
- 東部標準時(Eastern Time, ET)
UTC−5(夏時間はUTC−4)
ニューヨーク、ワシントンD.C.、マイアミなど - 中部標準時(Central Time, CT)
UTC−6(夏時間はUTC−5)
シカゴ、ヒューストン、ダラスなど - 山岳標準時(Mountain Time, MT)
UTC−7(夏時間はUTC−6)
デンバー、フェニックス(一部夏時間なし) - 太平洋標準時(Pacific Time, PT)
UTC−8(夏時間はUTC−7)
ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなど
ETとPTでは3時間の違いがあり、ニューヨークで午前8時の場合、ロサンゼルスでは午前5時になります。テレビ番組やイベントの告知では、よく「Starting 8:00 PM ET / 5:00 PM PT」のように、どのタイムゾーンかを明記して案内されます。
広い国土を持つアメリカならではの時間制度といえますね。日本のように全国同じ時間で便利な国からすると、ちょっとした驚きですネ。
以上、”Daylight Saving Time(DST)”にまつわるアメリカの時間のお話でした。
アメリカのサマータイム、ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、1時間得する日があると思うと、少し楽しいイベントのようにも見えます。あなたはこの制度を便利だと思いますか?それとも面倒だと思いますか?
