アメリカで注目の「ジェンダーニュートラル」な赤ちゃんの名前
以前にアメリカで人気の赤ちゃんの名前ランキング2023年版をご紹介しましたが、今回はちょっと変わり種。近年アメリカで注目されているジェンダーニュートラル(ユニセックス)な赤ちゃんの名前をご紹介します。
ジェンダーニュートラルな名前が増えている背景
近年アメリカでは「性別で区切らない」考え方が広まり、ファッションや職業だけでなく、赤ちゃんの名前にまでその影響が見られるようになっています。
Good Housekeepingの記事によると、2021年にはアメリカの赤ちゃんの6%にユニセックスな名前が付けられたそうです。これは1880年代の約5倍にあたる数字。時代の変化がはっきりと現れていますね。
さらに過去100年を振り返ると、1985年から2015年の30年間でユニセックスネームの使用率は88%も増加しているとのこと。まさに「性別を超えた名前」がトレンドになっているのがわかります。
男女で同じ数登録されたユニセックスネームトップ8
babycenterの分析によると、以下の名前は男女でまったく同じ数が登録された人気トップ8だそうです。

私自身、実生活で出会ったことがあるのは「Blake」と「Robin」。確かに、男性にも女性にもいました。男女どちらに付いても素敵な名前ですよね。
日本語由来の「Koi」がランクイン
リストの中でひときわ目を引いたのが Koi(コイ)。
Koiについては、以下のように名前の説明がされていました。
“Koi is rooted in Japanese, but has different meanings depending on which kanji, or characters, are used to spell it. Most English speakers will recognize Koi as a word for a kind of fish – more specifically, carp – but it also means ‘love.’”
「Koi」は日本語に由来しますが、どの漢字を使うかによって意味が異なります。アメリカ人の多くは「Koi」を魚の「鯉」の意味と認識しますが、漢字を変えると「love」の意味を持つ、「恋」となります。
アメリカで「Koi」という名前を持つ赤ちゃんが増えているなんて意外ですね。
ちなみに私はまだ実際に出会ったことはありません(笑)
その他の人気ユニセックスネーム
トップ8には入らなかったものの、「Yuri」もユニセックスな名前として人気だそうです。
日本語だと「百合」の花を連想しますが、海外では男女どちらにも違和感なく使われる響きになっているようです。
他にも面白いのは、「Georgie」という名前がユニセックスで人気なんだとか。「George」は男の子の名前、「Georgia」は女の子ですが、語尾を「ie」にすると、ニュートラルになるんだそうです!
名前に関する面白い規制
ちなみに、日本では昨今「キラキラネーム」に制限が設けられることが話題になりましたが、アメリカでも州ごとに名前の登録に規制があります。以下のような名前は登録を却下される可能性があるそうです。
- King
- Queen
- Jesus Christ
- Santa Claus
- Adolf Hitler
「イエスキリスト」とか、「サンタクロース」って笑 さらに「アドルフ・ヒトラー」まで!? どんな思いでこの名前をつけようとしたのか、想像するだけでも驚きです。
名前から見えるアメリカの価値観の変化
今回ご紹介したユニセックスネームのトレンドは、単なる名前の流行にとどまりません。
色々な分野において、男女の区別をしないことがトレンド、ブームとなっている社会の価値観を如実に反映したものとなっています。
名前一つでも社会の変化を感じられるのは面白いですね。
この次には、どんな名前が流行るんでしょうか?