2025年、The Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)が発表した「今年の言葉」は…

―― rage bait(レイジ・ベイト)。
“怒り”が時代を象徴するワードになってしまいました。
いろいろと現代社会を物語っておりますね笑
【rage の意味】
rage は「激しい怒り」「猛烈な怒り」という意味。
会話では
He went into a rage.(彼は激怒した)
などのように使います。
【bait の意味】
bait は本来「えさ」。そこから転じてスラングでは
「人を引っかける誘い・挑発」
というニュアンスになります。
つまり rage bait は
「怒りを誘うエサ=怒りを引き出すための挑発コンテンツ」
というニュアンスになります。
日本語で言うところの、「炎上狙い」ですね。
これに近い言葉として有名なのが clickbait(クリックベイト)。
“好奇心を刺激する釣りタイトル”でクリックを誘うアレです。
こちらの記事によると、「rage bait」という言葉は2002年頃までは、コンテンツは“注意を奪うために好奇心を刺激すること”に重点があったのに対し、最近は“怒りを利用して、感情と行動をコントロールする方向へ大きくシフトした”のだとか。
確かに、好奇心よりも「怒り」のほうが、クリック→コメント→拡散の流れが圧倒的に強い。
これはSNSあるあるですね。
BBCの記事では、この「rage bait」を巧みに利用して稼いでいるインフルエンサー、Winta Zesuを紹介しています。

ニューヨークでモデルとして暮らす彼女の悩みは「あまりに可愛すぎること」笑
そんな彼女の可愛すぎるための悩みを投稿し、人々の怒りを買って再生数を伸ばしているのだとか。
「数百万再生された動画は、全部ヘイトコメントのおかげ」
と本人も堂々と語っています。
確かに、怒りの感情って強いですもんね。
かわいい子猫の動画を見て、「かわいい〜」とほっこりするだけですが、腹の立つ投稿を見ると、つい反応したくなってしまうのが人情…。
それを上手く利用して稼ぐインフルエンサーも増えているとか。
要は「炎上商法」ですね。
アメリカのSNSで今年特に目立った rage bait といえば、選挙関連の投稿。
政治系はそもそも賛否が真っ二つに割れる話題なので、どうしてもアツくなりがち。
特に賛否両論の極致であるトランプ氏が候補者だっただけに、その白熱が凄かったのを覚えています。
もう一つ凄かったのは、以前書いた「チャーリー・カーク氏の暗殺事件」。
キャンパスでのディベート中に銃撃され、動画が拡散。
彼が右寄りだったこともあり、左の層からは“ざまあ”的な投稿が大量発生し、それがさらに炎上を呼ぶという、かなりカオスな状況でした。
こうして振り返ると、「rage bait」が今年の言葉に選ばれたのも納得かもしれません。
ちなみに先日も記事にしたDictionary.comが選んだ今年の言葉は「67(シックス・セブン)」。もう完全にSNSカルチャー時代ですね。
それに比べ、日本の2025年の流行語大賞は
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」(高市首相)
SNS関係なしの“リアルな言葉”が選ばれたのが、逆にちょっとホッとしたり。
…私が古いタイプの人間なんでしょうか笑
以上、2025年の「今年の言葉」rage bait のご紹介でした!
